動物用血圧計における血圧カフについて
動物用血圧計における血圧カフについて
動物の収縮期血圧と拡張期血圧を測定する動物用血圧計。動物用血圧計は、本体、エアチューブ、血圧カフから構成されています。この中で、血圧カフは、血圧を測定する上で、非常に重要な要素となります。当記事では、動物用血圧計における血圧カフについて説明させて頂きます。
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動物用血圧計の構成要素:血圧カフとは?
血圧カフとは、血圧計とつながった腕帯のことであり、血圧カフが膨らむことで動脈を圧迫し、血圧測定が可能となります。血圧カフの膨張により動脈が圧迫された後、減圧され血液が流れた際に、急激にカフ圧の変動が大きくなった箇所で収縮期血圧(最高血圧)が測定され、急激にカフ圧の変動が小さくなった箇所で拡張期血圧(最低血圧)が測定されます。
>>用語集:収縮期血圧について解説!
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血圧カフを用いた血圧の測定方法
血圧計において、血圧カフを用いた血圧測定方法には、オシロメトリック法とコロトコフ法があります。動物用血圧計においても、人用の血圧計においても、昨今ではオシロメトリック法を採用した血圧計が一般的に用いられています。オシロメトリック法、コロトコフ法については下記を参照ください。
動物用血圧計と人用血圧計のセンサ
前述のとおり、オシロメトリック法を採用した血圧計が一般的であり、血圧カフを膨張させた後、減圧していく段階で、センサにより動脈血管上のカフに生じる圧振動をチェックすることによって血圧を測定します。人用の場合は、圧センサーを用いて測定しますが、動物の場合は体毛に覆われており振動が正確に伝わらないことが懸念されます。そのため、カフ装着位置より末端に光センサを用いて、光電容積脈派を同時に測定し、正確な測定を行うこともあります。
犬、猫の血圧カフ装着位置
動物用血圧計により、犬や猫の血圧を測定する場合、前足の肘関節と手根関節の間に血圧カフを装着することが一般的であり、最も信頼性の高い血圧測定を行えます。しかし、犬や猫は人間の思い通りに静止してくれない場合もあり、患者が落ち着かない場合は、尾に装着します。尾に血圧カフを装着する場合、カフ位置と心臓の位置が、床から同じ高さになるように装着することが重要です。位置に差がある場合は測定下血圧値に誤差が生じます。(前足に装着する場合においても、心臓とカフ位置は同じ高さを保つ必要があります)
尾と前足に装着した場合の測定結果の違いについて、ほぼ同様となりますが、動脈硬化をはじめとした血管に関する疾患を持っている場合は、測定結果に差が出ることもあります。
動物用血圧計のカフサイズ
血圧カフのサイズにはいくつかの種類があります。メーカーごとにサイズは異なりますが、おおむね下記のようなサイズが一般的です。
サイズ | 幅×長さ | 腕周 |
#1 | 2.5cm×11cm | 3~6cm |
#2 | 3.2cm×14cm | 4~8cm |
#3 | 4cm×20cm | 6~11cm |
#4 | 5cm×25cm | 7~13cm |
#5 | 6cm×27cm | 8~15cm |
#6 | 9cm×31cm | 12~19cm |
※メーカーによってカフサイズは異なるため、あくまで参考です。カフサイズは腕周によって決定してください。大型の場合は、カフが非標準品となる場合もありますので、メーカーに問い合わせください。
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