動物用人工呼吸器を使用する上での基本的な注意点

動物用人工呼吸器を使用する上での基本的な注意点

動物用人工呼吸器は、外科手術を支える重要な機械であり、適切に稼働させることが重要です。当ページでは、動物用人工呼吸器を扱う上での、基礎・基本的な注意点をご説明します。改めて、注意点を把握頂き、人工呼吸器の安定稼働に繋げて頂けますと幸いです。

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動物用人工呼吸器全般の基本的注意事項

■動物用人工呼吸器は酸素を使用します。運転中は絶対に火気を近づけないでください。爆発または火災を起こします。

■可燃性麻酔ガスおよび高濃度酸素環境内では絶対に使用しないでください。爆発または火災を起こします。

■高気圧酸素治療用タンク内では絶対に使用しないでください。爆発または火災を起こします。

■除細動を行う周囲の者は、患畜の体の一部および患畜に接続されている装置やコード類の金属部分には触れないでください。

■MRI(MRT,NMR,NMI)検査室では、動物用人工呼吸器を使用しないでください。患畜と装置が強い磁界と高周波磁場のなかに置かれるため、装置の故障や誤動作を起こす可能性があります。

■放射線治療装置との併用は行わないでください。電子線により電子部品が影響を受け正常な動作を阻害する可能性があります。

■電気メスまたは火気を近づけて使用しないでください。電気メスから発生する高周波エネルギーによって動物用人工呼吸器が誤動作を起こしたり故障したりすることがあります。

■電子部品の誤動作による換気動作の停止を避けるため、40°Cを超える高温の環境で使用しないでください。

■動物用人工呼吸器は、異常事態に正しく対処できる医療従事者の監視下でのみ使用してください。

■装置に異常が生じた場合はすみやかに対処してください。

■電源コードは必ず動物用人工呼吸器に付属している3ピンプラグ付電源コードを使用してください。他の電源コードを使用した場合、患畜および操作者が電撃を受けることがあります。

■液体(輸液ボトルなど)を動物用人工呼吸器の付近に置かないでください。液体が装置内部に入ると故障の原因になるとともに患畜が電撃を受けることがあります。

■等電位接地された「ホスピタル・グレード」のコンセントから電源を供給してください。➢テーブルタップなどから電源を供給しないでください。漏れ電流が増加し、患畜が電撃を受けることがあります。

■動物用人工呼吸器の端子に製造元指定の装置以外のものを接続しないでください。また端子に金具を差し込んだり直接手で触れないでください。装置の故障や電撃を受ける原因となります。

■動物用人工呼吸器は患畜使用前に、必ず通常換気で正常動作することを確認後使用してください。

■電磁波による誤作動を防ぐために、携帯電話などの通信機器は機種を問わず動物用人工呼吸器より15cm以上離してください。

■動物用人工呼吸器へのダメージを避けるために排気口ならびに酸素排気口を塞がないでください。

■必ず始業点検を行い、動物用人工呼吸器が正常に動作するか確認を行ってください。継続点検を行わずに患畜に使用を開始すると圧力設定が変化するなどの現象が発生し、患畜に危害を加えることがあります。

■液体のかからない場所で保管してください。液体が動物用人工呼吸器内部へ入ると故障の原因になります。

■気圧、湿度、温度、風通し、日光、ほこり、塩分、イオウ分などを含んだ空気により悪影響の生じる恐れのない場所に保管してください。

■傾斜、振動、衝撃(運搬時も含む)などの安全状態に配慮した場所に保管してください。

駆動ガス(ガス供給源)についての基本的注意事項

■医療用酸素のみ使用してください。他の種類のガスは動物用人工呼吸器の動作に影響を及ぼすだけでなく腐食、爆発などの可能性があります。

■動物用人工呼吸器は高圧ガスを使用します。接続等にゆるみがないか注意してください。ゆるみがあるとガス漏れ等により爆発や火災の可能性があります。ガス漏れがある場合は直ちに使用を中止してください。

■動物用人工呼吸器を保管、長時間使用しない場合は酸素耐圧管をガス供給源から外してください。電源スイッチを「○」OFFやモード切替スイッチが「切」にでもガス供給源に接続されていると、調圧部品に常時高圧がかかり部品寿命を短くする恐れがあります。

内部バッテリーについての基本的注意事項

■動物用人工呼吸器は電源異常アラームを目的にニッケル水素電池が搭載されています。

■内部バッテリーは満充電までに約8時間を要します。充電には背面電源スイッチを「|」ONにしてください。動物用人工呼吸器を起動する必要はありません。

■長期保管などで背面電源スイッチが「○」OFFの状態でも内部バッテリーは消耗されています。使用前に必ず8時間程度充電をしてください。

呼吸回路とジェットチューブについての注意事項

■呼吸回路、ジェットチューブはあらかじめ洗浄、滅菌されたものを使用してください。不潔な呼吸回路、ジェットチューブを使用すると二次感染の恐れがあります。

■ひび割れやピンホールがあるなど損傷を受けた呼吸回路、ジェットチューブはリユーザブルであっても破棄し、損傷のない呼吸回路、ジェットチューブを使用してください。

換気動作中についての基本的注意事項

■人工呼吸器に異常が検出された場合や疑わしい場合は速やかに機器を外し、他の呼吸器(アンビューバックなどPEEPや酸素ガスを添加できるもの)を使用してください。

■異常を起こした機器は他の機器と区別し、必ず修理に出してください。

■各ボタンなどの操作を行うときは、他の操作と重複させないでください。重複操作を続けると事前の操作が継続するときがあります。

警報についての基本的注意事項

■警報が発生した場合は必ず原因を取り除いてから警報の解除を行ってください。また、常に代替の手動式呼吸器を用意してください。

■警報音がいつでも操作者に聞こえるよう穴を塞がないようにしてください。患畜にリスクを負わせる恐れがあるときに、警報を発生させるために必要です。

洗浄、消毒、滅菌についての基本的注意事項

■動物用人工呼吸器に高圧蒸気滅菌、EOG、その他、滅菌を行わないでください。

■構成部品類をエチレンオキサイドガス(EOG)滅菌する場合は、安全な残留ガス濃度になるまでエアレーションを行ってください。

■流量計を分解して洗浄、滅菌は行わないでください。

■不潔なジェットASSYおよび呼吸回路を使用すると二次感染の恐れがあります。高圧蒸気滅菌(121°C)された清潔なジェットASSYおよび呼吸回路をご使用ください。

■不潔な排気口アダプタも同様に二次感染の恐れがあります。高圧蒸気滅菌(121°C)された清潔な排気口アダプタをご使用ください。定期点検についての注意事項

■定期点検は必ず実施してください。点検を怠ると動作に不具合が生じ、患畜にリスクを負わせる恐れがあります。

■安全にご使用頂くため動物用人工呼吸器は稼働時間2,000時間経過もしくは2年経過どちらか早い時期で定期点検を行ってください。

■安全にご使用頂くためジェットASSYは高圧蒸気滅菌(121°C)40回後または2年毎にメンテナンスを行う必要があります。



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ここまで、動物用人工呼吸器における基本的な注意事項をご説明させて頂きました。基礎知識になりますが、改めて稼働方法が適切か確認頂けますと幸いです。
動物用人工呼吸器における詳しいトラブル事例をご紹介していますので、下記をご確認下さい。

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