動物用人工呼吸器・麻酔器の推奨部品
動物用人工呼吸器・麻酔器の推奨部品
当記事では、動物用人工呼吸器・麻酔器を使用する上での、推奨部品をご説明いたします。是非参考にしてください。
推奨部品1:人工鼻
人工鼻とは、動物の呼気に含まれる熱と水分をフィルターが吸湿し、加湿された空気を患者に送気するための部品です。
【人工鼻を使用したほうがいい理由】
・動物用人工呼吸器・麻酔器では、通常はドライガスを送るが、人工鼻を通すことで温度、湿度を保てる。
・ドライガスだと患者の体温が下がるが、人工鼻を使用し対応を維持する。
【人工鼻を使用しないことで発生する症状等】
・湿度が下がると繊毛活動が低下し、免疫が下がる。
・脱水の原因となる。
・患者の体温が下がる
【人工鼻を使用する上での注意点】
・単回使用を厳守すること。衛生面の問題から複数使用を避ける。
・患者からの吐瀉物による閉塞に注意する
バクテリアフィルター
バクテリアフィルターとは、取り付けることでウイルスや細菌を除去し、ウイルス・細菌の交差感染を防止するための部品です。
【バクテリアフィルターを使用したほうがいい理由】
・吸気側につけることで患者に汚染されたガスを送るのを防ぐ。呼気側につけることで器械内部の回路、また器械から汚染された排気ガスを室内に放出するのを未然に防ぐ。
【バクテリアフィルターを使用しないことで発生する症状】
・患者が汚染されたガスを吸ってしまう。
・麻酔器、呼吸器から汚染されたガスが室内に流れてしまう。
【バクテリアフィルターを使用する上での注意点】
・単回使用を厳守すること。衛生面の問題から複数使用を避ける。
PEEPバルブ
PEEPバルブとは、動物の呼気放出を制限し、呼気終末陽圧を発生させるための部品です。呼気の終わりに陽圧をかけることをPEEPといいます。
【PEEPバルブを使用したほうがいい理由】
・呼気の終わりに陽圧をかけることで肺の損傷を防ぐことができる
※現状市販されている動物用人工呼吸器にはPEEPバルブが搭載されるのが一般的ですが、搭載されていない場合は、オプションにて追加搭載をすることを推奨します。該当のメーカーにお問合せください。
【PEEPバルブを使用しないことで発生する症状】
・持続陽圧がかけられないため、肺の損傷を起こす可能性がある
余剰ガス吸着剤
余剰ガス吸着剤とは、麻酔器により排気されるガスのうちイソフルラン、セボフルラン等の有機ガスを吸着してから排気するための物です。
【余剰ガス吸着剤を使用したほうがいい理由】
・余剰ガス吸着材を使用することで、麻酔ガスが室内に流れてしまうリスクを排除し、動物医療従事者への悪影響を防ぐことができる。
【余剰ガス吸着剤を使用する上での注意点】
・使用期間に決まりがあり、期間を超えての使用は効果が不十分になりますので、使用期間に注意してください。
F回路(呼吸回路)※動物用麻酔器単体使用の場合
F回路(呼吸回路)とは、複数の蛇管、Yピース、ウォータートラップ、呼気弁等からなる、動物用人工呼吸器と患者を繋ぐ回路のことです。
【F回路(呼吸回路)を使用したほうがいい理由】
・動物側の死腔を減らすことができる。
【F回路(呼吸回路)を使用しないことで発生する症状】
・呼気の再吸入を起こす可能性がある。
【F回路(呼吸回路)を使用する上での注意点】
・内筒のねじれや閉塞に気を付けて使用する。
炭酸ガス吸着剤 ※動物用麻酔器単体使用の場合
炭酸ガス吸着材とは、循環している麻酔ガス中から二酸化炭素を吸着するものです。
【炭酸ガス吸着材を使用したほうがいい理由】
・麻酔器で半閉鎖回路仕様で使用した際、循環させた患者からの呼気に含まれる二酸化炭素を吸着できる。
【炭酸ガス吸着剤を使用しないことで発生する症状】
・ジャクソンリース回路等、敢えて小児では半閉鎖回路をしない場合もあるが、大人で使用しないと呼気の再吸入を防ぐため、酸素消費量が増えてしまう。
【炭酸ガス吸着剤を使用する上での注意点】
・二酸化炭素の吸着効果が落ちるため、使用期間に注意する。
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動物用医療機器.comを運営する株式会社メトランは、動物用人工呼吸器・麻酔器の国内パイオニアメーカーとして活動してまいりました。人工呼吸器・麻酔器・気化器において、お困りごとやお悩みがございましたら、お気軽にご相談下さい。